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「染司よしおか」五代目当主・吉岡幸雄氏が選んだ今月の色の過去の記事より、人気のエッセイを紹介しています。最新記事はこちらでどうぞ。

2009年8月
藍の季節

藍染シルク

藍の季節がやってくる。八月になると春に種をまいた蓼藍 (たであい) が育って見事な彩りをかもし出す。私どもの工房近くの畑へ、毎日通って刈り取りをする。まずは葉を一枚一枚ちぎって、生葉染 (なまはぞめ) にすると、澄んだ天空のような鮮やかな彩りとなる。

藍の葉は、水に浸して三日間放置し、色素をくみ出して沈殿させることもする。こうしておくと、夏の盛りをすぎても染めることが出来る。

蓼藍の葉の写真
蓼藍の葉

「青は藍より出で」という古いことわざがある。青藍の彩りは人が最も親しみをもつ。

空色、縹、紺、浅葱、人は青に、様々な色名を付けてきた。

立秋の季がやってくる。入道雲がさって、晴れわたる早秋の空、工房では藍染めの毎日。晴れわたる空、澄んだ清流。それが麗しい藍染の御手本である。

染織史家・吉岡幸雄

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