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『源氏物語の色辞典』
吉岡 幸雄 著

『源氏物語の色辞典』玉鬘「衣配り」の華やかさ より

源氏のような位の高い男性は、「御しつらひのこと」つまり今日の歳暮のように、新年を迎える調度や女君たちの晴れ着を配るという習わしがあった。

源氏がそれぞれの女君に用意した衣裳は、つぎのようなものであった。

紅梅 (こうばい)のいと紋浮 (もんう)きたる葡萄染 (えびぞめ)の御小袿 (こうちき)今様色 (いまやういろ)のいとすぐれたる」は紫の上へ。

「桜の細長 (ほそなが)に、つややかなる掻練 (かいねり)取り添へて」は、明石の姫君へ。

浅縹 (あさはなだ)海賦 (かいふ)の織物、織りざまなまめきたれど、にほひやかならむに、いと濃き掻練具 (かりねりぐ)して」は夏の御方(花散里)に。

「曇りなく赤きに山吹の花の細長」は、西の (たい)に住む玉鬘に。

末摘花 (すえつむはな)には「柳の織物の、よしある唐草 (からくさ)を乱れ織れるも、いとなまめきたれば、人知れずほほゑまれたまふ」といったものを。

「上の折枝 (をりえだ)、蝶、鳥、飛びちがひ、 (から)めいたる白き小袿 (こうちき)に、濃きがつややかなる重ねて」は明石の上に。 空蝉 (うつせみ)の尼君には、「青鈍 (あをにび)の織物、いと心ばせあるを見つけたまうて、御 (れう)にある梔子 (くちなし)の御 () (ゆる)し色なる添へたまひて」といった具合である。

続きは、吉岡幸雄『源氏物語の色辞典』「玉鬘」の
「衣配りの華やかさ」にてどうぞ。

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