日本の伝統色 ミニ知識
「青」
人類ではじめて宇宙に旅立ったガガーリンが、帰還後「地球は青かった」と述べたように、地球上に住む私たちは、いつも青色と生活をともにしているといってもいいでしょう。
古代中国で、春秋時代から戦国時代に完成されたといわれる五行思想においても、木(青)、火(赤)、土(黄)、金(白)、水(黒)とされるように、青は木の色にたとえられ、五原色の最初にあげられています。人が自然界とともに暮らしていく中でもっともなじみ深く、身近におきたいと願った色なのです。
天空の青い空。紺碧の海。ゆるやかに流れる大河。さざ波をたてる湖。澄んだ水は空を映して青く、その色に私たちは清々しさを感じ、心やすらぐのです。
青の色名
青の色名には、「藍(あい)」「紺(こん)」「縹(はなだ)」「浅葱(あさぎ)」「褐(かち)」「甕覗(かめのぞき)」「納戸(なんど)」「青鈍(あおにび)」「露草(つゆくさ)」「空(そら)」「群青(ぐんじょう)」「瑠璃(るり)」などがあります。
青系の色の染料
代表的な染料は、
そのほか、顔料の群青や、コバルト・ブルー(酸化コバルトとアルミナからつくった顔料)、友禅染の下書きにつかわれる露草などがあります。
染司よしおか当主・染織史家 吉岡幸雄
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