ツイートする日本の色の再現に半生をかけてきた
吉岡幸雄 (よしおか・さちお)
第58回 菊池寛賞受賞

吉岡幸雄/よしおかさちお/Sachio Yoshioka: 筒糊

日本人は侘・寂 (わび・さび) といった言葉で表現されるような、くすんだ色を好んだのではなく、いつの時代も透き通った色鮮やかなものを欲していた。

その日本人の鮮やかな色文化を伝統的な植物染により現代に蘇らせた吉岡幸雄は、近年、国内だけでなく、海外からも注目を浴びている(写真は筒から米糊を絞り出す吉岡氏)

吉岡幸雄氏 紹介記事 (読売新聞 2011)
吉岡幸雄氏インタビュー (京都新聞 2010)

吉岡幸雄よしおか さちお)略歴
染織史家・「染司よしおか」主宰

昭和21年
(1946)
京都市に生まれる。生家は江戸時代から京都で四代続く染屋である。父常雄はのちに大阪芸術大学教授として教壇に立つとともに、世界の染色研究に没頭し、とくに貝紫の研究の第一人者であった。伯父に日本画壇の重鎮、吉岡堅二がいる。
昭和46年
(1971)
早稲田大学第一文学部卒業。
昭和48年
(1973)
美術図書出版「紫紅社」を設立。美術図書の編集と美術工芸の歴史を研学する。

『根来』、『琳派』(全5巻)、『伊藤若冲』など多数の美術工芸図書を出版。『染織の美』(全30巻)、『日本のデザイン』(全16巻) の編集長を務める。

美術展覧会「日本の色」、「桜」(東京・銀座松屋) などを企画、監修する。広告のアートディレクターも務め、コマーシャルフィルム、電通カレンダーの制作などに携わる。
昭和63年
(1988)
生家「染司よしおか」五代目当主を嗣ぐ。染師福田伝士氏と二人三脚で日本の伝統色の再現に取り組む。

「染司よしおか」は花樹草に宿る色を汲み出して糸や布を染める植物染や、貝による紫染である帝王紫の染色を専らとしている。毎年、東大寺お水取り(修二会)の椿の造り花の紅花染和紙、薬師寺花会式の造り花の紫根染和紙、石清水八幡宮放生会の「花神撰」を、植物染で奉納。ほかに春日大社、宝塚清澄荒神など古社寺の伝統的な仕事にも多く従事している。
平成3年
(1991)
奈良薬師寺三蔵院に掲げる幡5旗を多色夾纈によって制作。(きもの文化賞受賞)
平成4年
(1992)
奈良薬師寺「玄奘三蔵会大祭」での伎楽装束45領を制作。
平成5年
(1993)
奈良東大寺、伎楽装束40領を制作。天平の彩りと文様をすべて植物染料による染織の古法にのっとって再現する。
平成9年
(1997)
東京地下鉄南北線溜池山王駅のJT提供装飾デザインアートウォールの装飾アートディレクターを務める。
平成12年
(2000)
日本の伝統色466色を植物染料で再現した『日本の色辞典』を紫紅社より刊行
平成13年
(2001)
中国敦煌の発掘の唐時代の幡4旗を復元。

ドイツ・バイエルン州ミュンヘン市共立手工芸ギャラリーにて「染司よしおか展」開催。

法隆寺聖徳太子1380年忌にあたり、法隆寺伝来「獅子狩文錦」を吉田頼修氏らの協力を得て、空引機を制作し、往時の色と文様を復元。(この模様は、NHK BSハイビジョンで放映された)

NHK教育テレビ人間講座「日本人の創った色」を12月~平成14年1月、8回にわたって担当。
平成14年
(2002)

1月、東京OZONEホールにて、「植物染 日本の色『虹色どろぼう』―染司よしおかドイツミュンヘン帰国記念展―」開催。

10月、東大寺大仏開眼1250年慶讃大法要にあたり、次のような仕事に取り組む。

  • 正倉院に収蔵される「鹿草木夾纈屏風」を古法にのっとり復元。
  • 幡12旗(杉本建吉画)を制作。
  • 開眼の縷を制作。
  • 東大寺管長の紫根染による紫衣ならびに糞掃衣を復元し、10月15日、橋本管長が着衣して大法要にのぞまれた。
  • 伎楽の装束20領を植物染料により制作。

12月、岩波新書『日本の色を染める』を岩波書店より刊行。

平成15年
(2003)
東京日本橋高島屋にて「日本の色 天平の彩り展」を開催。
平成16年
(2004)
尾形光琳画 国宝「紅白梅図屏風」の流水を藍で再現する。(NHK特集で放映)。

4月、兵庫県福崎町・蓮華寺の幡28旗、袈裟、打敷などを植物染で制作。

NHK教育「心の時代」に出演。

シャネルの化粧品ディレクター、ドミニク・モンクルトワ氏が吉岡の紅花、蘇芳の「赤」に注目し、口紅の製品を開発し発売となる。(NHK番組「赤とルージュ」にて放映)
平成17年
(2005)
東京日本橋高島屋にて「甦る王朝の美 源氏物語の色」を開催。
平成18年
(2006)
イギリスのシティー・オブ・ロンドンフェスティバルにて St Bride's Church で日本の色・伝統の美を基調にした作品を出展。
平成19年
(2007)
4月、サントリー美術館にて吉岡の作品「祝の縷」を展示。

5月、イギリス大英博物館 (British Museum) にて JAPANESE TEXTILE について講演。

11月、イギリスロンドン日本大使館にて「源氏物語の色」について鼎談。
平成20年
(2008)
4月、アメリカで日本の染織について講演。

「源氏物語千年紀」にあたって、源氏物語の色五十四帖を再現。

成田国際空港第二ターミナル到着ロビーのアートディレクターをつとめる。 (グッドデザイン賞受賞)

日本橋高島屋にて「染織家吉岡幸雄の仕事 千年紀―源氏物語の色」展を開催。

源氏物語の色
平成21年
(2009)

京都府文化賞功労賞受賞

9月6日、日本テレビ『ザ!鉄腕!DASH!!』によしおか工房と『日本の色辞典』、『帝王紫探訪』登場。

9月、オーストラリアのシドニーで開催された『2009年色彩国際会議』にてゲストスピーカーとして講演 (11th Congress of the International Colour Association 2009)。

12月、日本橋高島屋にて「日本の色 万葉の彩り 吉岡幸雄の仕事」展開催。

平成22年
(2010)

10月 第58回 菊池寛賞受賞
吉岡幸雄氏インタビュー(京都新聞より)

平成23年
(2011)
7〜8月、菊池寛賞受賞記念
「日本の色 千年の彩展」開催

12月〜 吉岡幸雄、福田伝士の情熱を追ったドキュメンタリー映画「紫」公開

12月、『王朝のかさね色辞典』(紫紅社) 刊行
王朝の美・かさねの色240色を染め和紙で完全再現

12月20日(火)〜25日(日)
日本橋高島屋 染織家 吉岡幸雄の仕事
「王朝のかさね色」展

平成24年
(2012)
1〜2月、NHK Eテレ番組「直伝 和の極意〜華麗 優雅 にっぽんの色を染める」にて家庭でできる植物染の講師をつとめる

3月、第63回 (平成23年度) 日本放送協会 放送文化賞 (NHK放送文化賞) 受賞

主な講演
イギリス
The British Museum (大英博物館 London)
Royal College of Art (London)
University College for the Creative Arts (Farnham)

ドイツ
ミュンヘン市立ギャラリー

インド
ニューデリー市

フランス
コルマール市
パリ市

韓国
ソウル市

日本
サントリー美術館 (特別講演)
根津美術館 (特別講演)
日本女子大学 (特別講義)
青山学院大学 (特別講義)
同志社女子大学 (非常勤講師)
京都精華大学 (非常勤講師)
早稲田大学 (特別講義)
朝日カルチャーセンター大阪「国宝の色」講師(公開講座)
静岡SBS学苑パルシェ「源氏物語と色」講師(公開講座)
五島美術館 (特別講演)

吉岡幸雄オフィシャルサイト「紫のゆかり~吉岡幸雄の色彩界」
京都嵐山クラブ「IRODORI STORY」エッセイ掲載

日本の伝統色 ミニ知識

茶 赤 青 紫 黒 黄


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関連リンク:
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紫のゆかり 吉岡幸雄公式サイト